本当にモバイルフレンドリー?

モバイルフレンドリーのアップデートに関しては、普段、検索エンジンのアップデートに敏感じゃないクライアントさんからも問い合わせがあります。(これは主観だけれど、この「モバイル」、「フレンドリー」という語感に、単純な音としての聞き馴染みがあるからなんじゃないかな。「パンダ」「ペンギン」がWebに結びつく言葉とは発想しにくいし。)

以前の記事に書いた件で、原因を探すために(結果としてWordPressの読み込みエラーだったわけですが)Googleさんのモバイルガイドを読んでいると、ところどころ、
「モバイルフレンドリーじゃないなら、レスポンシブにすればいいじゃないー。」(心くん風に)
とおっしゃってるわけです。
「あなたのサイトはCMSを使っていますか?じゃあ、レスポンシブのテンプレート使えばいいですよ。」という具合です。
なるほどー、それでかと理解しました。問い合わせの内容に「レスポンシブにしたい(既存のPCサイトを)」「レスポンシブにすれば大丈夫だよね(既存のPCサイトを)」が多いんですよね。なにが大丈夫なんだろうと思うわけですが、レスポンシブにすればモバイル対応になるだろうと思うのも無理はない(スマホ対応の印は出るし)。間違えじゃないけど、モバイル対応の手段の一つがレスポンシブなのであって、イコールではない。
誤解のないように言うと、レスポンシブが嫌いではないです。というか、むしろ結構好きです。特に実装面で楽しいし、設計も楽しい。
私はレスポンシブで行きましょうという要件の際は、スマホ表示のコンテンツ、そのプライオリティ、レイアウトから考えるほうが多いです。それをデバイス幅が変化した時にどう展開させるのか、というのは後から考えるわけです。つまり、サイト自体のターゲットがモバイルデバイスを使うユーザーの場合は、ということです。
もちろん要件によってはPCサイトからの設計もやりますが、どうにも具合が悪い。そのまま何とか、それらしくモバイルデバイスに収めているというふうで、とりあえずスマホ対応になったよ、という感じ。それが希望なんだから、それはそれで間違いじゃないですが。(今回の問い合わせについてはこの感じですね。)
よく言われていることとしては、PCのコンテンツをそのままスマホサイトに合わせるには、情報の量が多いですよね。単純にカラムを落とすだけでは、情報のプライオリティを保つのが難しい。PCとスマホでは考えられるユーザーの行動が全然違うわけです。使う状況も、目的も違う。PC向けに設計されているコンテンツは、PCユーザーのためのもの。スマホサイトは、やっぱりスマホ用に設計されているべきで、それでこその、”モバイルフレンドリー”なはずです。
既存のPCサイトをスマホに最適化する手段はいくつかあります。目先のコストではなく、コストパフォーマンスを提案していきたいものです。
”モバイルフレンドリー”はどうあるべきか。多角的な視点が必要です。

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