次世代Webカンファレンス 406 #nextwebconf

先日行われた次世代WebカンファレンスのセッションがYouTubeにあがっていたので、アクセシビリティのセッションを拝聴しました。(YouTubeでも聴いていただけなら拝聴でいいのかな。やっぱり拝見だろうか…単に”見た”でいい気がしてきた。本筋には全く関係ないけど。)

セッションの動画:次世代Webカンファレンス 406 #nextwebconf
途中、若干途切れることがあったので当日のツイッターのまとめも参考にさせていただきました。コンテンツからのアプローチとデータからのアプローチについて、現状の課題や今後の展望などをメモ。

コンテンツからのアプローチ

アクセシビリティへの対応となるとクライアントからは、例えば”大中小ボタンをつけるのがアクセシビリティ対応”のような(ボタンをつけるかどうかは必要性によるから、ボタンが良い悪いの話ではない)、誰からも目に見えること、形にするのが対応だと思われることが多い。マークアップなどの外側からは見えないものや、誰でもが内容を理解できるといった分かりやすい対処でないもの、目に見えない対応にはコストをかけにくいのではないか。また費用対効果も(SEO対策のように効果が計れるものがないので)見えにくい。アクセシビリティ対応への理解をどう得ていくのか課題になる。

では私たち制作側はどうかという話で印象的だったのは、”平等”をどう捉えるのかということ。アクセシビリティというと「みんなに平等に見せるべきではないのか」と言われることがあるが、この平等の定義によってアウトプットも違ってくるのではないか。
例えば、ハンディがなく視覚的に同等の条件で見る(同じようなデバイス、ブラウザ)前提でならともかく、まずその前提は現実的でないし、同じ見え方を求めること自体は成り立たなくなっている。提供側が誰に向けてコンテンツを作っているのか、コンテンツの目的を果たせているのか。多くのユーザーが”ちゃんと見えている”状態ということをどう定義するのか(理解するのか)で、アクセシビリティの質も変わってくるのではないか。

データからのアプローチ

情報にメタデータを与えることで、より的確に機械にコンテンツの内容を伝える(マシンリーダビリティ)ことができる。アクセシビリティには重要な要素。メタデータはコンテンツ提供側が設定するものだと思われているが、はてブやFlickrなどを例に、第三者がタグ付けしたり注釈を付けたりする方が利用者にとってより的確なデータになることもある。
WebページだけがWebではない。Web経由の情報をさまざまな形で出力させ、Webブラウザ以外のものから情報を得ることができる。IoTといわれるものやアプリもそうだろう。利用者が求めるデータは求められた形式になっていることで即座にユーザーに届けることができるが、サービス毎にフォーマットが異なるために、それぞれで情報を得ることになる。将来的には一定の条件でフォーマットが統一される(または共有される)ことが望ましいし、発展的な技術としてRDFの活用が期待される。
実装面ではschema.orgやマイクロデータなどが見られるようになったが、これは検索結果に影響するからという、利益に関わる理由からこそ実装されている部分がある(Googleがやったらみんなやる問題)。実装にいたるなら結果的に悪いわけじゃないけど、目的がずれてしまうような気はする。
実践としては足りない部分が多いが、コンテンツからのアプローチ(ヒューマンリーダブル)もデータからのアプローチ(マシンリーダブル)もどちらも大切で、どちらもあるからアクセシブルな情報になる。

感想

私たちは情報に”アクセスする”という行為が当たり前すぎて、アクセシビリティが伝わりにくいのかもしれないと感じた。すでにWebブラウザを見る以外の方法で情報にアクセスしているし、それは自然に私たちの生活に定着しつつある。
アクセシビリティの話というと「堅い話だね」とか「うちのサイトには関係ない」ということを聞くこともあるけど、決して一部の特別な人のためとは言えないはず。以前ここで書いた『5年後?…近い未来の検索方法?』という記事でもあるように、スマートフォンやタブレットの普及で、子どもでも直感的に情報にアクセスできる時代になったわけで、元々パソコンを知っている私たちは想像力が足りないのかもしれない。パソコンは操作できないけど、スマホなら情報にアクセスできるという人は子どもから高齢者まで多いのではないだろうか。そういう意味でもコンテンツの作り方やマシンリーダブルは重要になってくるし、アクセシビリティの有益性は大きいはず。
理解を求めるためには分かりやすい説明ができるといいとは思うけど、そもそも制作側の意識が変わっていかなければそれもできないのかなと、なんとなく感じた(製作者にも「堅い話」って言われることもあるし)。

次世代Webカンファレンスは興味のある話題がいくつかあって、会場に行けなくてもYouTubeで見ることができるのは本当にありがたい。せっかく聞いたのだからいくつかのキーワードを拾ってまとめようと思ったものの、セッションのコンセプトが雑談形式であまり事前準備をしないというものだったようで、会話形式のものをまとめるのはなかなか難しかった。ここまで来て、こういう場合は時系列でまとめようとしないほうがいいように思ったけど、とにかくここまででも時間がかかったのでメモとしてはこれでいいだろう、ということにする。

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